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院長の思うこと

モヤッとした世の中

 あまりにも抽象的な表題で申し訳ないのですが、何か日本ってこんな国だったっけ?と思うことが多すぎて寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか。

 某中古車販売会社の不正、男性アイドル事務所の性加害など嫌な事件が大きく報道されていますが、それ以外でも、我々の身近なところで納得がいかないと言うか、汚いやり方だなと思うことに多く遭遇するようになりました。

 先日身内に不幸がありまして、家族葬を行ったのですが、その費用にびっくりしました。パンフレットに書いてある値段には、会場使用料やスタッフ費用が入っておらず、それらの費用がどんどん加算され、結局、2倍以上になりました。

 動物病院に例えるなら、手術料はこれだけですけど、手術室使用料や麻酔料を入れればこれだけになりますといったところでしょうか。

 葬儀をするのに会場を使わないわけはありません。手術をするのに手術室や麻酔を使用しないわけがありません。必要最低限の値段が表示されているのならわかりますが、表示されている値段では葬儀ができない状態でした。ぼったくりに近いですよね。

 これはほんの一例ですが、外壁塗装会社や損害保険会社の横暴な対応など散々な目にあいました。

 本業に関しましては、製薬会社のやり方に、いかがなものかと思うことがよくあります。

私は、新薬を使うことにはかなりのリスクを伴うと考えています。

 人体薬では、大規模な臨床試験のデータがあるも関わらず、発売後に新しい副作用の発現や十分な薬効が得られず消えて行ってしまう薬が多くあると言われています。

 我々獣医師は、新薬に関しましては、技術資料やセミナーを通じて情報を得ています。

 しかし、それらの情報を鵜呑みにすることは危険だと考えています。

 専門医と呼ばれる獣医師と製薬会社とべったり癒着して忖度だらけのセミナーを見ることがよくありますし、技術資料に十分なデータが記載されていないことも経験しているからです。

 なぜそれが分かるかといいますと、私は必ずアメリカの食品医薬品局(FDA)のデータを参照することにしているからです。

 以前にこのブログに書きましたように、ノミ・マダニの飲み薬に対してFDAがアラートを出している事実は、もちろん技術資料にはありませんし製薬会社も何も伝えてきません。

 フィラリア予防の注射薬の野外試験では、大幅な体重減少を示した例や死亡例があり、薬剤との関連が否定できないという記載があったにも関わらず、日本での技術資料では副作用なしになっていたこともあります。

 技術資料の薬効に関するグラフにおいても、どれぐらいのばらつきをもって対照群と有意な差が出たのかを示したものはほとんどありません。生物は個体差があり、化学反応のような正確な結果は出ません。必ずばらつきがあります。それが分からないと、どれほど効果があるのか正確には分かりません。

 高価な薬なのに、効き目が弱そうだなと思われる薬もデータから読み取れることがあります。よく見ていないと製薬会社の思うつぼになりそうです。

 いずれにせよ、自分に関わるもの全てにおいて、自分自身で確認し納得することが大切だでしょうね。SNS上では、いろんな意見が書かれてあるかもしれませんが、それらに惑わされることなく、主体性をもって自分自身の責任で行動していくことが、情報社会や利益至上主義社会を乗り切っていくためには必要だと思います。


研究者



 

 

 

 


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