top of page

院長の思うこと

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


昨年は、たくさんの子たちが逝ってしまいました。

2009年ごろにピークを迎えたペットブームの子たちが、ちょうど寿命を迎える年齢になったからです。

この状態は、まだまだ続くと思います。


ごく平凡な町獣医として、私にできることは何かを常に考えてきました。

答えは簡単には出ません。

ただ、単純ですが、私にできること以外は何もできないということです。

逆に言えば、私にできることは何でも必死にやるしかないということです。

私にできないことを他の獣医師に助けを求めることは厭わないつもりです。


死は、生物として絶対に逃れられないとても自然な現象です。

これに立ち向かい死を先延ばしすることが正義なのか、家族の皆さんに死を受け入れてもらうよう努力することが正しいのか。

飼い主さんの死生観や宗教観は皆さん違いますので、どちらが良いかわかりませんが、どちらにしても最終的に納得していただくことが、私たち獣医師の役目かもしれません。

最終的にペットの死は大変悲しいことですが、一緒に生きる喜びは計り知れません。


人間に幸福感をもたらす脳内物質は、大きく分けて3つあるそうです。

ドーパミン、オキシトシンとセロトニンです。

ドーパミン的幸福感は、お金、成功、地位、名誉などを手に入れたとき感じる幸福感です。

オキシトシン的幸福感は、愛やつながりの幸福感です。セロトニン的幸福感は安らぎやリラックスなど、心と体が健康で得られる幸福感です。

 

ペットと暮らす幸福感はオキシトシン的幸福感に当たります。

ドーパミン的幸福感は長続きしないしない幸福感である一方、オキシトシン的幸福感は長続きする幸福感だそうです。

ペットとの触れ合いによって、私たちの脳内でオキシトシンが分泌され幸福感を感じるとともに、ペットの脳内にもオキシトシンが分泌されることが分かっています。

人とペットの双方で幸福感を感じるわけです。


核家族化が進み、家族の死を含めた大家族のつながりが減り、また、ネット社会により、生身の人々の触れ合いが減少しているのが現状ではないでしょうか。

今まさしく人々に必要なのはオキシトシン的幸福感ではないでしょうか。

皆様の家族の一員として、小さな毛むくじゃらな生き物が、皆様とともに生き生きと楽しく暮らしていけることを願っております。


へびのイラスト




bottom of page